カードローンを利用してATMから現金を借り入れようとした際、まだ利用枠に余裕があるはずなのに「お取り扱いできません」と表示されたり、希望した金額が全額出てこなかったりするケースがあります。
これは、カードローンの「契約極度額(利用枠)」とは別に、ATM自体やカードのセキュリティ設定として「1回あたり」または「1日あたり」の引出し上限額が設定されているためです。
本記事では、主要なコンビニATMにおける1回あたりの引出し限度額の違いや、1日の利用上限を変更する方法、そして限度額に関する注意点について詳しく解説します。
カードローンの「2つの限度額」の違い
まず、ATMで取引ができない原因を特定するために、2種類の「限度額」の違いを理解しておく必要があります。
1. 契約極度額(借入限度額)
審査によって決められた、あなたが借りられる総額の上限です。例えば「限度額50万円」で契約している場合、借入残高が50万円に達すると、それ以上は1円も借りることができません。
これを増やすには、再度審査(増額審査)を受ける必要があります。
2. ATM引出し限度額(利用上限額)
防犯対策やATMのハードウェア性能により設定されている、物理的な引出し上限です。
契約極度額に余裕があっても、この設定を超えた金額を一度に引き出すことはできません。今回の記事では、主にこちらについて解説します。
1回あたりのATM引出し上限額(ハードウェア制限)
コンビニATMや銀行ATMには、機械の仕組み上、一度に処理できる紙幣の枚数や金額に制限があります。多くのカードローンでは、以下の基準が適用されます。
セブン銀行ATMの場合
セブン-イレブンなどに設置されているセブン銀行ATMは、紙幣の投入・払出能力が高く設定されています。
- 1回あたりの上限: 50万円(紙幣50枚まで)
- 特徴: 1,000円単位での借入が可能です。
ローソン銀行ATM・イーネットATMの場合
ローソンやファミリーマート(イーネット)のATMは、セブン銀行とは上限が異なります。
- 1回あたりの上限: 20万円
- 特徴: 多くの提携金融機関において、1回の取引上限が20万円に設定されています。
例えば、ローソン銀行ATMで50万円を借りたい場合は、「20万円」「20万円」「10万円」と、3回に分けて操作を行う必要があります。操作回数が増えるため、その都度ATM利用手数料がかかる可能性がある点に注意が必要です。
1日あたりのATM利用上限額(セキュリティ制限)
ATMの機種ごとの制限とは別に、カードローン会社や銀行側が「セキュリティ上の1日の引出し上限」を設定しています。
一般的な初期設定額
多くのカードローン(消費者金融・銀行)では、カード発行時の初期設定として、防犯のために以下の金額が設定されていることが一般的です。
- 1日あたりの引出し上限: 50万円
たとえ契約極度額が100万円や200万円あっても、ATMでの引出し(借入)は1日50万円までに制限されているケースが多いです。
これを超える金額が必要な場合は、後述する設定変更を行うか、銀行振込による融資を利用する必要があります。
生体認証の有無による違い
銀行キャッシュカード兼用型などの場合、ICチップや生体認証(指静脈認証など)が登録されているかどうかで、上限額が大きく異なります。
- 磁気ストライプ取引:1日50万円まで
- ICチップ・生体認証取引:1日100万円~200万円まで
引出し限度額を変更する方法
「1日50万円では足りない」あるいは「防犯のために上限を下げたい」という場合、多くの金融機関で設定変更が可能です。
1日あたりの上限額を変更する(利用枠内での変更)
ATMでの引出し上限額(セキュリティ設定)を変更する場合、審査は不要です。
- 会員ページ・アプリから変更
プロミス、アコム、楽天銀行スーパーローンなど、多くのサービスでは会員専用サイトやアプリの設定メニューから、「ATM引出し限度額」を変更できます。即時反映されることが多いため、ATMの前でスマホ操作をして上限を上げることも可能です。 - 電話窓口での変更
コールセンターへ連絡し、本人確認を行った上で変更を依頼します。 - 自社ATMでの変更
一部の銀行では、自行のATM画面操作で上限額の引き下げ(減額)のみ可能な場合があります。
契約極度額自体を増やす(増額融資)
もし、「ATMの制限」ではなく「契約している借入枠(50万円など)」がいっぱいで借りられない場合は、設定変更ではなく「増額申請」が必要です。
- 手続き: アプリや電話から「増額審査」を申し込みます。
- 注意点: 改めて収入証明書の提出が必要になる場合や、審査の結果、逆に限度額が下がる可能性もあります。審査には数時間から数日かかります。
ATMで希望額が引き出せないその他の原因
限度額以外にも、ATMでお金が下ろせない原因はいくつか考えられます。
- ATM利用手数料不足
口座残高や借入可能額ギリギリを引き出そうとした際、ATM手数料(110円~220円)の分が不足しており、エラーになることがあります。手数料分を差し引いた金額を入力してください。 - 千円単位の入力
多くの提携ATMでの借入は「1万円単位」または「千円単位」です。硬貨(小銭)に対応していないATMで端数を入力するとエラーになります。 - 総量規制の影響
消費者金融の場合、他社を含めた借入総額が年収の3分の1に達していると、ATMの操作に関わらず追加借入は停止されます。
まとめ
ATMのご利用限度額には、物理的な「1回の操作の上限」と、防犯上の「1日の合計上限」があります。
- セブン銀行ATM: 1回50万円まで
- ローソン・イーネット・ゆうちょ銀行など: 1回20万円まで(機種による)
- 1日の利用上限: 初期設定は50万円が多い(変更可能)
高額な借入を行いたい場合は、ATMで複数回に分けて操作するか、アプリから自身の銀行口座への振込融資(手数料無料の場合が多い)を利用するのが最もスムーズです。
急ぎの場合は、まず会員アプリにログインし、現在の「利用可能額」と「ATM設定上限」の両方を確認することをおすすめします。

